The Transformer

ー世界と自分の変容ー

お金の出かた、入りかた

今日は母と、お金の出かたと入りかたについて話していました。

なにかというと、「どんな気持ちでお金を使ったかによって、その後の入り方やなくなり方が変わる」ということ。

 

前回の記事でも少し触れましたが、昨年末母方の祖父がなくなったため、現在子供達である母を含めた兄弟たちで、財産分与をしているそうです。自営業をしているため多少財産があるそうですが、遺言書がないにも関わらず、母親たち兄弟はなんの揉め事もなく話が落ち着いたそうです。

 

世間一般で聞くような兄弟間の遺産相続問題は起こらず、いたって平穏だそうです。その理由について、母親が次のようなことを言っていました。

「問題が起こらないのは兄弟の仲がいいからでもあるけれど、じいちゃんが一生懸命働いてつくったお金だからだよ。」

 

亡くなるまで社長として商売を営んできた祖父です。晩年は病で床に伏していましたが、生前はその生涯を稼業に費やしてきました。約半世紀もの間稼業に携わったこともありますが、最期の時まで終始商売のことを気にかけており、稼業に対する思い入れは一番強かったと思います。そんな祖父でしたが、亡くなる最期の一年は心筋梗塞で突然倒れたりと、入退院を繰り返す日々でした。その間、十分な面倒を見ることができなかったという母親含めた子供達の悔いがあるようで、もう少しケアができていたらあと数年が生きながらえただろうに、という悔しさがあるようです。そのため、母親たちにとっては祖父から受け継ぐ保険金や財産に対して、「じいちゃんの命のお金」という感覚があるようです。

 

子供の頃から祖父の商売に精を出す姿、商売への想いを感じ取ってきた母親たちです。だから、兄弟間での相続問題が起こらないのだと思います。こうした姿や想いが兄弟たちが受け継がれただけでなく、なにより祖父自身の稼業に対する強い思い入れが、数十年間も商売を支えてきました。まさに文字通り、骨身を削って生み出したお金です。この保険金や財産には、祖父の稼業を存続させる純粋で強い想いがこもっているのです。売上が落ち込んだり横領があったりと、長い年月の中で苦しく苦い時もありました。しかし、祖父は決して汚いお金の使い方はせず、正当なやり方で、コツコツ地道に営んできました。稼業の売上は全て、祖父の純粋な想いで作り上げられたお金なのです。ついつい熱く語ってしまいますが、こうした純粋な想いで生み出されたお金は、良い結果を引き起こすのであると目の当たりにしています。

 

反対に、母親の親戚で過去に遺産相続に揉めた兄弟がいるそうで、1円単位まで分与に揉めたそうです。それなりの遺産を相続したため、外車を購入したりとそれなりに裕福な生活を送っていたそうですが、今では生活に困るほどの状態に陥っているそうです。自分の懐を肥やすことや損得のみだけ考えて得たお金は悪い結果を引き起こす、まさに正反対のケースです。同じ親戚間でもここまで状況は異なるのかと、驚くほどに正反対の結果が引き起こされています。

 

キレイな想いで使ったお金は良い結果を引き起こし、汚い想いで使ったお金は悪い結果を引き起こす。使う時に乗せた人の想いは、お金と一緒にそのまま循環しているのだと思います。お金だけに関わらず、何かを出す時、使う時、発す時、そんな時は一瞬立ち止まって自分の想いを見つめ直す。そしてキレイな循環を、自分から生み出していきたいです。